ひな誕祭レポート
このひな誕祭レポートは、あくまで東京ドームでのひな誕祭という、私の人生史に刻まれるであろう出来事を事細かく記録し、後で思い出せるようにするためのものである。
初日
ライブ前
当日は6時半に起きた。3年目のデビューを観ながらゆっくり朝ごはんを食べ、櫻坂46の『車間距離』のMVを観ながらゆっくり支度をした。日向坂の曲は聴かないと決めていた。今聴けばライブで聴いたときに新鮮さが少し減ってしまうような気がして。
成人祝いのお礼を言うために大叔母に電話をした。その電話の中で、ライブに行くことを大叔母に伝えたら、大叔母が「ライブを全力で楽しんでこい、今が青春なんだから」と言ってくれて、少し感動した。今が私にとっての青春なんだと改めて実感した。
ゆっくり準備をしたと言っても、家は8時ごろには出た。なぜなら10時から物販が始まるからだ。グッズは買う予定はなかったが、急遽お金が入ったなら買うしかねぇので。
この文章は、いま東京ドームに向かう電車のなかで書いているのだが、書くことに夢中で2駅ほど乗り過ごしてしまった。
9時30分過ぎくらいに後楽園駅に着いた。割と朝早いからそんなに人はいないだろうと思っていたが、その見当は途方もなく間違っていた。想像の9倍くらいの人が物販に既に並んでいた。長蛇の列だった。私が並び始めてから買い終わるまで、2時間20分くらいかかった。その間にアイザックアシモフの『ロボットの時代』に収録されている短編を2つ読み終えられるくらいの時間だった。
物販では、入学祝いを滝のように使った。あれもこれもと買ってたらグッズで1万、生写真で5000、BDで5000で、結局2万も使ってしまった。生写真を買った後に、お兄さんに声をかけられ、トレードをした。なんか複数人で生写真を業者のように管理してて、素直に感心した。ソフトウェアの力で、もっと効率化できそうにも思えた。まあなんか相手側が欲しい5枚をあげたら、ひよたん5枚くれたので嬉しかった。
先着限定のステッカーを手に入れた後は、一旦椅子で荷物を整理し、会員証をもらいに行った。会員証の列が意外と長くて、これも1時間くらい並んだような気がする。とにかくネットが遅かった。人が多すぎて電波が干渉しているのかもしれない。そのせいで会員証貰う時も、少し時間がかかってしまった。
会員証は紙っぺらではなく、ICカードのような材質だった。名前欄に名前を記入して財布に入れておこう。
会員証をもらった時点で時計は既に13時を指していた。14時30分から開場だったことを思い出し、ご飯を食べるところを探したが、マックやサイゼリアなど、どこもおひさまでごった返していたので、東京ドームから少し離れた中華料理店に入った。ガラガラの店内のテレビには、パンツ早履きギネスみたいなやつに挑戦しているオードリー春日が映っていた。五目チャーハン+半ラーメンというものを頼んだ。店員さんが厨房にオーダーを入れるとき、中国語で話していたが、一个(ひとつ)しか聴き取れず、ありもしない中国語選択者としての自尊心に傷がついた。
会場入り
ご飯を食べ終わると14時過ぎだったので、ぼちぼち会場に向かった。まだあまりこれから東京ドームライブをやる実感がない。あまり睡眠をとっていないせいかもしれない。
予定では、14時30分からの開場だったが、実際に開いたのは15時くらいだった。人生で初めて、回転扉というものを通った。小さい頃、東京ドームに来たことがあるらしいが、回転扉は通った覚えはない。通った瞬間、気圧の変化からか耳が痛くなった。
座席は三塁側1階の前から2ブロック目の先頭だった。自分の運的にはけっこう良い席だ。サイドステージが割と近い。できるならアリーナがよかったけど、それはこの世の未練リストに追加しておこう。いつか必ず日向坂のライブを間近で観る。観るまでは死ねない。観てそのまま死にたい。
開演までは2時間半もある。引き続き、『ロボットの時代』を読みながら暇をつぶした。右隣は大学4年生くらいの男性二人組で、そこまでオタクオタクしていない感じの人たちだった。左隣は、若いカップルで結構開演ギリギリで席についた。隣が一人だったら話しかけようかと思っていたが、どちらも二人組なので、控えた。一抹の孤独感を感じながら、開演に近づくにつれて心臓が高鳴るのも感じた。
ライブの感想
予定では17時30分からの開演だが、その時間になってもなかなか始まらない。それが逆に私のボルテージを上げていた。会場内に響くBGMが繰り返されるたびに、まだかまだかと期待が高まる。10分ほど経ったであろうか。不意に安心感のある声が聞こえてきた。くみてんだ!くみてんの声から東京ドームライブへの喜びが溢れていた。
そしてくみてんの影ナレが終わると、音楽に合わせてスティックバルーンを叩いた。だんだんライブの世界に落ちていくのを感じる。次にOvertureが来ると思ったが、来たのはVTRだった。そのVTRは、初めて約束の卵を歌ったライブの映像から始まった。そしてひらがなけやき結成までさかのぼり、そこから2期生加入や単独アルバム発売決定、日向坂への改名など、この日までの歴史を、それがこの日から何日前であるかを表す数字とともに、辿った。この時点で、もう私の涙腺から液体が漏れ出し始めていた。
VTRが終わり、メンバーが横一直線になってメインステージに現れた。その列の真ん中の隙間に、こさかなが遅れて入ってきたとき、会場全体が沸いた気がした。
くみてんの煽りがOvertureの始まりを予感させていた。Overtureがこれほどワクワク聴こえたことはない。メンバーが次々に踊っていく感じだったが、肉眼では誰が誰か識別できなかった。双眼鏡は持っていたが、いまは使うタイミングではないと思い、肉眼で頑張って見ようとした。
Overtureが終わった。そして爆撃かと思うほどの炸裂音とともに始まったのは、『ひらがなけやき』だった。もうあのメロディーが聞こえてきた時点でタガが外れたように涙が出てきた。嗚咽が本当に止まらなかった。この夢見てきた東京ドームという地で、『ひらがなけやき』を歌っているというこの事実だけで、彼女たちのここまでの苦労が脳内にフラッシュバックしてきて、感無量だった。もう立ってられないくらい泣いた。もし私がひらがなけやき結成当時から推してたら、卒倒してたと思う。それぐらいの出来事だった。 2曲目は、日向坂としての最初の曲、『キュン』だった。『ひらがなけやき』からの『キュン』という2つのデビュー曲を並べるこのセトリに感涙せずにはいられない。キュンではなんとこさかながセンターを務めており、ひさしぶりのこさかなの「かわいい」には、こさかなファンが聴いたら失神するのではないかと心配するほどの威力があった。私はというと終始泣きっぱなしである。なんでこんなに涙もろくなってしまったんだろう。
2曲終わって気づいたのは、スピーカーからの音と反響した音とがかなりずれて聞こえる点だ。東京ドームの大きさを物語っている。ライブを楽しむのに支障はない程度ではあった。
青春の馬では、こさかなではなくおすしがセンターだった。こさかなとそのファンには本当に申し訳ないが、もうおすしのほうがしっくりきてる自分に驚いた。おすしの青春の馬が板につくほど、日向坂というグループは個々が強いのだと思う。おすしの青春の馬には躍動感や力強さみたいなものを感じる一方、こさかなの青春の馬はどこか儚げで、健気さを感じさせるところがある。どちらも素晴らしい。 青春の馬といえば、ひよたんのペアダンスだ。2サビが終わった後に、センターの人がひよたんを前へと連れ出し、一緒にペアダンスを踊るという、何度見ても泣いてしまう演出がある。ただ今回、ひよたんがいないので、そこの演出がどうなるのか不安だった。実際は、おすしだけがバックステージに行き、そこで一人でペアダンスを踊るというものだったと思う。家で配信を観ているひよたんも一緒に踊っていたら素敵だ。ただやっぱり悲しくなってしまう。いつの日かこの地で、ひよたん込みの青春の馬を観るまで私は成仏できそうにない。
My fansは、とにかくライブで盛り上がる曲だ。会場全体がペンライトで真っ赤に染まり、身体中の全細胞を沸騰させるような、愛する者への狂気性みたいなものをぶちまけられるような曲になっている。特に私は「愛はReligion」という歌詞がお気に入りだ。そのフレーズのときにちょうどきょんこがスクリーンに映り、時が少し止まったように感じた。 僕たちは付き合っているのイントロが掛かった瞬間、周りから「おぉ…」という感慨とも感嘆とも取れるような声が聞こえてきた。この声はこの後のひらがな時代の曲すべてで聞くことになる。自分もこの曲がここで来るとは予想していなかった。この曲も『ひらがなけやき』と並んでかなり初期の曲で、歌番組で顔が抜かれやすいように顔付近の振りが多くなっているらしい。そんなTAKAHIROの粋な計らいを思い出しつつ、また目頭が熱くなっているのを感じた。そろそろこのあたりで私の泣きっぷりに隣のカップルが引き始めていそうだった。
最前列へは、かなり好きな曲だ。特にひよたんの「ついていくほうが」が本当に好きだ。だが今回は、ひよたんがいない。代わりにすーじーが歌っていたように思う。声の低さは少し似ていたが、やはりひよたんが恋しくなる。青春の馬に続き、この曲もひよたんがこの場所にいないことを実感させられる曲だった。
アザトカワイイからのソンナコトナイヨはテンションが上がる。どちらも振りを一回覚えたことがあるので、振りを織り交ぜつつペンライトを振ることができ、メンバーと一緒に踊っている感覚を得ることができた。アザトカワイイの「Wow Yeah Yeah」の部分の振りが本当に楽しいし、ソンナコトナイヨはラスサビが終わった後の「どこにでもいるようなタイプなら〜」は盛り上がりに追加でガソリンを注いでくれる。
君しか勝たんは日向坂で唯一スティックバルーンを使う曲だ。他の曲では基本的にペンライトを振っているので、正直、スティックバルーンは置き場所が無くて邪魔だ。ただこの曲が始まると、皆ペンライトを腕にぶら下げ、スティックバルーンを持つ。会場全体でスティックバルーンを叩く音が揃う瞬間には得も言われぬ快感がある。 君しか勝たんのCメロ手前であろうか、日向坂メンバーがマジックに挑戦した。大きな空の箱に、突然メンバーが出現したり、かとしが箱に入って、別の場所から出てきたり。タネはわかってしまうが、一応スティックバルーンを猛烈に叩いて拍手した。
かとしが別の場所から出てきたときに、かとしがひなあいで公約としてたKTダンスを披露した。それを踊るかとしが本当に可愛くて今でもなぜか鮮明に脳裏に浮かぶ。きっと若林を想う、乙女の顔になっていたからであろう。 どこかの曲で(必死過ぎてどの曲か忘れたが)、きょんこがついに気球に乗りこちらに近づいてくることを双眼鏡で観測した。気持ちは目標を発見した偵察兵である。Battlefield4をやっていたあの頃を思い出す。一瞬、きょんこがこっちを見、手を降ってくれたような気がした。周りにきょんこ推しがどのくらいいたのかはわからない。少なくとも両隣はきょんこ推しではない。きょんこが認識しているかはわからないが、きょんこの目に私の推しメンタオルが入ってたことは間違いないだろう。 NO WAR in the future 2020と誰よりも高く跳べ 2020では、周りのおひさま、そして会場全体が一つになったような感覚を得た。不思議と歓声も脳内で補完されているようであった。正直、あんなにノリノリでジャンプしたのは初めてだ。私は声出しありのNO WARと誰とべを経験したことがないので、これが私にとって過去一盛り上がったNO WARと誰とべだった。声出しが解禁される日に備えて、過去映像を良く見て練習しなければならない。
誰とべでは、くみてんの煽りがぶっ飛んでた。タマシイレボリューションのサビ終わりのような、巻き舌を使った叫び声には東京ドームへの狂喜が表れていた。思わずこちらのテンションもぶち上がった。
JOYFUL LOVEでの虹は、過去一と言って良いほど綺麗に見えた。最後にメンバーたちの服が発光してメインステージに戻っていく演出は、別世界に来てしまったような感覚に私を陥らせた。うっとりしてしまう。宇宙人がこの光景を見たら不思議がるだろうなとふと思った。5万人もの人が、全国から年齢・性別・職業などの垣根を越えて集結し、一つのおひさまとしてこの一つの空間に虹を作り上げ、メンバーが光を纏い歩いている、あの景色を私は死ぬまで忘れないだろう。その一部になれたことを私は誇りに思う。
普段のアナロジーでは、私たちが照らす側(おひさま)で日向坂が照らされる側(日向)だが、あの場面では22個の太陽(日向坂)の光が私たちを照らすことで虹が出来上がっているように感じて、私たちおひさまに対する彼女たちからの恩返しのようにも思えた。
アンコールで、ついにメンバーが約束の卵を披露している姿を見て、私は泣き崩れんばかりだった。この約束の彼の地で、約束の卵を歌うということには、メンバーにとってもおひさまにとっても計り知れない価値がある。2019年のひなくり配信を見ていたころから、私がずっと思い描いていた未来に今やっとたどりついたのを感じ、全身が喜びに震えた。
だが、ここが日向坂のゴールではない。そう感じさせてくれたのは、『日向坂』だった。これからもこの曲をライブで歌い続ける日向坂は、どんな未来を歩むのか期待で胸がはち切れそうだ。海外ライブも夢ではないだろう。かとしが走り出す瞬間のヒット祈願で願った、「世界中の人に愛されるグループになる」という願いが叶うその瞬間まで、一おひさまとして推し続けたい。
最後のMCで、くみてんが言った「4年目も、5年目も、10年目も、そして100年目もこうして祝えるといいですね」という言葉が胸に残っている。できることなら本当に100年目まで応援したいと思わされた。そのぐらいこのグループが好きだ。10億年後の未来まで、この地球に日向坂というアイドルが存在したことを伝えたいぐらい好きだ。
最終日
ライブ前
朝起きた時、まだ体の火照りが感じられ、昨日のライブが夢じゃなかったんだと感じた。夢かと思うほど幸せな時間だった。
現地でやるべきことは初日に全て済ませていたので、2日目はそれほど早く行く必要はなかったが、体が勝手に東京ドームに向かっていた。あのお祭り感を早く味わいたかったのかもしれない。結局昨日より早く現地に着いてしまった。
9時に現地に着き、横目で長蛇の列を眺めながら、ポスターの写真などを撮ったりし、PRONTOに入った。イベントのため1時間制だったのが少し残念だった。
PRONTOの中には客が誰もおらず、昨日入った中華料理店を思い出させた。PRONTOでは、レモネードのLを頼み、ひな誕祭の前日についてブログを書いた。この時点でモバイル通信はかなり遅くなっていたのを覚えている。 1時間経ったとしても、1回店から出てもう一回入り直して、ドリンクをまた頼めばもう1時間いけるのではないかとも思ったが、一杯450円はさすがに高すぎるのでやめた。1時間みっちりブログを書き、あてもなくブラブラし始めた。
座る場所を確保するため、駅の近くの公園に行き、そこでメンバーのサイリウムカラーと約束の卵の振りの最終確認をした。最終的に、全員分のサイリウムカラーはもちろん、ペンライトの色がどういう順番で変化するかなども短期記憶に入れることができた。
そこでペンライトは、意外と奥が深いことに気づいた。というのも、今回のひな誕祭ペンライトは真ん中のボタンを押すと1番のパステルカラーに戻るようになっているので、あるメンバーの色から別のメンバーの色に変更する際に、どういう色移動が最適であるかが少し複雑になるからである。たとえば10番サクラピンクにいるときに、15番ブルーに変更したいとき、右に5回ボタンを押すより、1回真ん中のボタンを押してから左のボタンを押したほうが3手も得する。
これをゲーム化すれば面白そうだし、かつ自然とメンバーのサイリウムカラーを覚えることができそうだと思った。ただ今作っているアプリがあるので、それが終わり次第作ろうと思う。できれば次のライブまでに完成させたい。
会場入り
昼飯をサイゼリアで適当に済ませ、14時30分頃に22ゲートに向かった。22ゲートは正面のゲートなので、グッズ売り場やファンクラブのブースなど、人がまだ多く並んでいるエリアと隣接している。なのでその別のブースに並んでいる人たちとの衝突を避けるため、私が並んですぐに22ゲートの列の長さが固定された。22ゲートの人も21ゲートないしは23ゲートに誘導されていた。
確か15時くらいに開場したと思う。トイレを済ませてから、自分の席に、どんな席なのか楽しみにしながら向かった。1階席の39列目であったが、バックステージがかなり近く、誰が誰であるかぐらいは識別できそうな距離だった。初日はサイドステージに近かったが、サイドステージにはせいぜい3、4人しか来ず、来てもすぐ帰ってしまう。一方、バックステージは10人ほど来ることがあり、しかも結構長い間居てくれるので、昨日より良い席であると思った。
昨日のように本を読む気にはなれず、双眼鏡で色々なところを眺めていた。特に音響機材がいっぱい置いてあるところを眺めるのは少しワクワクする。その中のパソコンの一つに、配信勢が見ているであろう画面が映し出されていた。自分も配信のライブばかり見てきた方なので、今自分が現地にいることがなんだか不思議に思えてきた。
むゆのぬいぐるみをこの日のために作ってきたので、さっそくリュックから取り出し、昨日買ったネックストラップにつけて、むゆを首からぶら下げた。これでむゆも一緒にライブを見れるだろう。
昨日と違って、周りの席はお一人様が多かった。右隣に2個離れた席にいる人が端から2列目にいたので、右3人が一人ずつなのはほぼ確定していた。左隣に来た人も一人だったので、話しかけようかと思った。メガネを掛けた男性で、タオルの色から誰推しかはわからなかった(彼が持っていた全国おひさま計画のタオルは全メンバー同じ色である)。この会場における、今日の天気みたいな話題に相当するものは何かと考えたとき、この席のJOYFUL LOVEにおけるペンライトカラーの確認だと思ったので、思い切って、「ここの席ってライトグリーンで合ってますよね?」と話しかけてみた。
その後は会話がはずみ、30分があっという間に経った。日向坂を好きになったきっかけや、互いの推しメン、ひよたんの欠席、セトリ予想、むゆの紹介など色々話せたので楽しかった。普段、人と関わったりするのはあまり得意ではないが、こういうライブでの一期一会の出会いは割と好きかもしれない。その後の人間関係を全く考えなく良いので、気兼ねなく話せる。
ライブの感想
セトリはそこまで変わらないだろうと思っていた。昨日と同じように爆発音とともに『ひらがなけやき』から始まるのだろうと思っていた。
しかし、昨日と同じVTRが終わって、メンバーが出てこないままOvertureが始まったときから違和感を感じた。昨日はVTR→メンバー登場→Overtureだったので、昨日と違うセトリになる予感がした。
Overtureも昨日とは違って、大きな卵のような風船が徐々に膨らみ、最後の「3・2・1」に合わせてその卵が割れるような演出になっていた。昨日とは全く違う演出を前に、2日ともチケットを当てた自分の運を褒め称えたかった。
そして1曲目は『ひらがなけやき』ではなく、『キュン』だった。この瞬間、この最終日のライブが初日のライブとは、その意味において、一線を画するものであるということを悟った。初日のライブが日向坂の歴史を振り返るものであったとするならば、最終日のライブは、それに加え、ここに留まらず前に進むという意志を強く感じさせるものだった。
2日目で特に印象に残った曲について書く。まず『こんな整列を誰がさせるのか?』を披露してくれたのが本当に嬉しかった。ひらがな時代の曲の中でかなり好きな曲で、私がきょんこ推しになったきっかけの曲でもある。まだメンバーのことを全く知らなかった時期に、ひらがな時代の曲を聞きまくっていたのだが、『こんな整列を誰がさせるのか?』のきょんこの『前進め全体止まれ、右ならえ左ならえって』がかっこよすぎて、一瞬できょんこの虜になったのを今でも覚えている。そのフレーズを生で、しかも東京ドームで聴くことができたのが、何にも代えがたい喜びだった。
三期生の『この夏をジャムにしよう』と『Right?』はすごく良い。何も考えずハッピーな気持ちになれる。3期生は3月31時点ではまだギリピチピチJKなので、彼女たちのパフォーマンスを見ていると、新鮮なフルーツを摂取しているような気分になる。ご年配のおひさまはきっとかなり若返っているはずだ。
『それでも歩いてる』には泣かされた。あんなん泣くに決まっている。今までMVやスタジオライブの『それでも歩いてる』では、残される椅子が1つだったから、残されている3つの椅子を見て、改めてかつてこのグループにはねるちゃんに加え、めみたんとばうちゃんが居たんだということを意識し、泣いてしまった。それと同時に、この先この空の椅子が増えていくのを想像してしまい、胸が苦しくなった。その時はいつかは来ると頭でわかってはいるけれど、どこかこのままずっと応援できると思ってしまっている自分がいる。確かに卒業しても推し続けることは可能かもしれないが、私はアイドルをしている推しが好きなのだ。アイドルを卒業した推しを好きになれるかはまた別の話だ。
アンコールでは、
「緊急告知!」
「7thシングル『僕なんか』発売決定!!」 「今夜披露!」
のような文字が画面に表示されて、会場から歓声が今にも湧き起こらんばかりだった。この約束の地で新シングルを耳にできるとは、なんと光栄なことか。
センターはさすがにこさかなではないと予測していた。復帰後すぐにセンターは精神的にきついだろうと思っていたからだ。だが運営は見事に予想を裏切ってくれた。真ん中に立っているのは、前髪パッツンこさかなではないか。思わず、おお!!と言ってしまった。主人公が帰ってきた感があった。映画だったら感動的なBGMが流れているだろう。
曲調は、どこか懐かしく切ない感じ。なぜか聴いたことがありそうなメロディーだった。「僕なんか」のところが特に耳に残る。
後日30分ぐらい考えた結果、菅田将暉の『さよならエレジー』の「うんざりするほど光れ君の歌」のメロディに似ていると思ったのだと判明した。あとアンジェラ・アキの『手紙〜拝啓十五の君へ〜』にも少し似ている部分がある気がする。
歌詞は断片的にしか聴き取れなかったが、雰囲気に飲まれ泣いてしまった。本当に良い曲だ。東京ドームという場なら何でも良い曲に聞こえてしまうので、4月4日にYoutubeで公開されてから判断したほうが良さそうだ。
❌ Unsupported block (video)『日向坂』を披露した後に、ダブルアンコールで『約束の卵』を披露した。もちろん、約束の卵、つまり東京ドームにようやくたどり着いたぞという意味もあるだろうが、私には彼女たちがそれとは別の意味も伝えてきているように思えた。歌詞中の「卵」がこの東京ドームではなく、他のなにか未来のことを指しているように思えてならない。それはまだ具体的には決まっていないのかもしれないが、孵化を待つ未来の目標に私たちは向かっているという意味を受け取り、この東京ドーム公演を締めくくるのにふさわしい曲だと妙に納得した。
公園で最終確認したおかげもあって、約束の卵は自信を持って踊ることができた。ファンクラブ席ということもあって、周りもかなりコアなファンが多いので、みんなほぼ完璧に踊っていた。一体感が生まれ、本当に気持ちよかった。
ライブ後
公演が終わり、多幸的な余韻に包まれながら座っていたら、アナウンスがかかり、意外と早く自分がいるブロックが退場することになった。そのとき、さっき話していた左隣の人が、捨てられているスティックバルーンを拾っていた。彼の行動に心打たれている自分が居た。というのも、ライブ初日、私はゴミなどが落ちていてもなかなか拾うという行動を起こせなかったからだ。彼は捨てられているのを4本も回収していたので、自分も一組もらい持って帰ってきた。やっぱり捨てられているのは悲しいから、みんな自分のスティックバルーンは持ち帰って欲しいものだ。
外は雨が降っていた。少し荷物を整理していると、ちょうど雨が一時的に止み、後楽園駅に向かうことができた。その途中の横断歩道で目に入ってきたのは、道に落ちている、空気のぬけた1本のスティックバルーンだった。考えるより先にそれを拾っていた。先程の彼の行動を見ていたからだった。
余談
余談ではあるが、途中私のペンライトの色が変色し始めるという事件があった。この型のペンライトは4時間ほどで、光が黄ばみ始めるという不具合がある。ソンナコトナイヨのペンライトを予備で持ってきてよかった。このソンコトのペンライトのほうが変色しないし電池持ちも良い気がする。
あと前のおじさんのペンライト振りがベテランだった。おそらくひらがな時代から推している方なんだろう。コールがあるはずの場所などを全曲把握していて、自分の未熟さを思い知らされた。途中、ダンスの振りをペンライトに取り入れたりしていて、素直にすごいと思った。自分もコールや振りを覚えて真似したい。
また後日Twitterで、ひな誕祭ではひらがな時代から推している人に刺さるような演出がなされていたという言説を目にし、少し悔しく感じた。厳密に言うと昔のライブとリンクする点が複数箇所に見られたらしい。おひさま化計画などは自分も参加したので、確かにそれっぽいなと思う箇所はあったけれど、他にもかなりのエモいポイントがあったなんて…。どうしても古参との差を感じる。完全に古参と同じ経験を積むことはできないけれど、昔のライブ映像を何度も見返すなど、自分にもできることはあったなと反省した。
最後に
2日を通して、日向坂の初東京ドーム公演をこの目に焼き付けることができたことがこの上なく嬉しかった一方、いかに自分が日向坂をまだ知り尽くしていないかを突きつけられたライブでもあった。他のアイドルなどに目をやる暇などない。まずは日向坂だけを見なければならないと思わされた。とりあえず今は、日向坂の過去を綿密に調べながら、彼女たちの現在をもしっかりと追っていきたい。
この2022年3月30日〜31日は、人生で一番幸せな2日間だったことは間違いない。確かに最大瞬間風速的にこれを超える幸せはあるかもしれないが、1日の幸せを時間で積分した場合の幸せの総量は、いかなる出来事も超えることができないと断言できる。
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