推しの日本語もマレーシア人の英語も何にも聞き取れなかった日
7月23日、日向坂46のリアルミーグリに行った。リアルミーグリというのは、リアルミートアンドグリートのことで、対面で日向坂メンバーとおしゃべりができるイベントである。私はひなのちゃんに3枚投げて1枚だけ当たったので、たった1枚のチケットを握りしめて(電子チケットなので厳密にはスマホしか握ってないが)、1時間半ぐらい電車に揺られながら会場の幕張メッセに行った。当時、生活リズムがかなり狂っていたので、寝ることなく目をギンギンにしたまま向かった。
Twitterのマレーシア人
前日に、Twitterの方で前から少し絡みのあるマレーシア人のFigさんとエンカすることになり、私のリーグリ(リアルミーグリの略である。ちなみに現在、表記ゆれがあり、リアグリとも言われる)が終わった後で会うことになった。
TOEFLのリスニングとスピーキングのスコアがクソな私は前日の夜から結構不安だった。英語がちゃんと聞き取れるか?思ったことをちゃんと伝えられるか?など不安に思いながら、当日使いそうなフレーズを洗い出してみたり、Youtubeでマレーシア人英語を聞いたりしていた。
最初は私のリーグリが始まる前に会おうということになっていたが、やはり推しに会う前は一人になって身を引き締めなければならないと思い、ミーグリの後に会うことに変更した。そのときに、brace myself for Aというフレーズを学んだ。Aに対して覚悟をするという意味だ。私はbrace myself for meeting Hinanoをするために、11時過ぎ一人で会場にいた。
ひなのに謁見
ホール2がリーグリの会場かと思いきや、物販とリーグリの待機列がホール2にあり、実際のリーグリ会場はその隣のホール1にあった。1部は11時45くらいから受付が始まり、荷物検査や身体検査をされた。荷物検査のときに、飲み物はありませんか?と聞かれ、あると答えると、一口飲んでくださいと言われた。確かに前に並んでいた人は皆飲み物を飲んでいた気がするが、あれは喉が皆一斉に乾き出したわけではなかったのか。実際には、飲み物が毒物や危険物でないことを証明するために一口飲まされているのだった。ちょっとなんか原始的だけど効果的でおもしろいなと思った。ライブで会場に入るときでもここまでしないので新鮮だった。
検査が終わると奥の通路からホール1へと移動した。ホール1には、メンバーごとにレーンがあり、自分が今日話す人のレーンに各自並んでいく形式だった。ひなのちゃんセンターのAm I ready?ではなく、その前のOne choiceのリーグリなので、ひなのちゃんのレーンに特別人が多いわけでもなかったと思う。
もうレーンに並び始めるぐらいから心臓がおかしくなってきたことに気づいた。ひなのちゃんに会えるって考えただけで心臓が飛び出そうなくらい緊張した。
1部の開始時刻である12時になり、いよいよ列が動き出す。公式グッズ以外は首から下げることができないというアナウンスがあったので、せっかく作ってきた名札を残念そうにカバンにしまいながら、かわりにひなのちゃんのひなのなのタオルを首から下げ、ひたすら列が進むのを待った。あと3人、2人と減っていく。前に一人しかいなくなると、もうすぐそこにはひなのちゃんがいることがわかった。なぜなら声が仕切り越しに聞こえてくるからだ。声と言ってもマイクを通した音質の悪い声だが、ひなのちゃんの声であることに変わりはない。
前の人とひなのちゃんの会話を聞き流しながら、心の準備をする暇もなく自分の番がやってきた。自分は、この日のためにTシャツを自作してきた。
以前、「日向坂で会いましょう」で横浜が似合う女を決めましょうやみたいな企画をしたときに、出川哲朗の似顔絵を書くコーナーがあった。そのときにひなのちゃんが書いた出川哲朗がかなり味があって自分の好きな絵だったので、そうだTシャツにしてリーグリで見せようと考えたのだ。「やばいよ!」の位置を少しいじってはいるが、完全にひなのちゃんが書いた絵をそのままTシャツにしている。
以下は、実際にどのようにリーグリが進んだのかをミーグリレポ形式で書いたものである。🐰がひなのちゃん、💻が私である。
💻こんにちはー 💻これ覚えてます?(Tシャツを指さしながら) 🐰あ!覚えてる!Tシャツ作ってくれたの?!ありがとうー!! 💻あ、はい!!作りました 🐰またねー!(手を振りながら 💻またねー(手をふりふり
正直言うと、ひなのちゃんが何を言っていたのかあまり認識できなかった。言葉を聞き取って理解する回路が緊張でうまく働かなかったので、上のレポートは、おそらくこんなニュアンスのことを言っていただろうと脳内で補完しているだけである。
後から知ったのだが、ひなのちゃんは浴衣を着ていたらしい。そんなことすら気づかないほど緊張していたし、生で見るひなのちゃんが可愛すぎた。顔ちっちゃいし、目キラキラだし。これ握手会とかしたらショック死で死人出るんじゃないか?
緊張して自分の体を操作している感覚がないという、この経験どこかでしたなと思ったら、センター試験だった。センター試験は、リーグリより緊張していて、数学1Aの開始と同時に、手が勝手に動いているのを俯瞰で見ているような感覚になったのをはっきりと覚えている。今回のリーグリもそんな感じだった。喋っているのは自分なんだけど、そこに操作の自由度はあまりなく、俯瞰的に眺めているような感じ。ひなのちゃんの顔をしっかり見た感じがしないのはそのせいかもしれない。もっとじっくり眺めたかった。
心臓バクバクのまま出口に向かった。終わってから10分くらいはバクバクしていたように思う。試しにAppleWatchで記録されていた心拍数を確認してみたら、
とんでもない数字を叩き出していた。これはおそらくひなのちゃんに会う直前だと思うが、1500mを1本走ってきたのかと思うくらい心臓が動いている。確かにあれだけ緊張した瞬間は最近だと全く無かったので、相当緊張してたんだろうなと思っていたが、いざこうやって定量的に示されると面白くなってくる。Apple Watch買ってよかったなと初めて思ったかもしれない。また次回のリーグリも直前までApple Watch付けておこう。
マレーシア人とエンカ
自分のリーグリが終わり、Figさんと会うことになった。会場の外で金村美玖のタオルを持って待っているとDMが来たので、ホールから出てみるとそれらしき人物がいた。Are you Fig?と聞くと、Tadaさん?と聞かれたのでYesと答えた。ここまではよかった。
しかし、そこからのFigさんの英語全くと言っていいほど聞き取れなかった。今まで小中高大と英語を勉強してきたのにも関わらず、ここまで聞き取れないとは思っていなかった。自分の中で何かが崩れ落ちるような音がした。挫折に近いかもしれない。
Figさんの英語発音を表現するのは難しいが、ぐちゃぐちゃというマレーシア語みたいな発音が畳み掛けるように流れてくる感じだ。断片的に聞き取れる部分もあるが、そこから全体の文章を推測するのは当日の私には無理だった。寝不足だったからという言い訳もできるが、単純に、私の耳がアメリカ英語に順応しすぎている、あるいはFigさんの英語の訛りが強すぎるのどちらかであろう。
少し耳が慣れてきたかと思っても、またよくわからない部分が出てくるし、何回も聞き直すのもなんか申し訳ないなとも思ってしまって、少し気まずくなった。そこで、家から持ってきて金村美玖の生写真をプレゼントすることにした。Figさんはその写真を見るやいなや笑顔になり、Thank youと言ってくれた。自分の推しを見て笑顔になるのは、日本のオタクもマレーシアのオタクも同じなんだなと思って、少し安心した。
Figさんがスマホの充電がないと言うので、一緒にコンビニを探すことになった。道中、私は頑張って英語を喋りながらなんとか意思疎通を取ろうとしてたが、Figさんは一応日本語も少し分かるということなので、それに甘えて若干日本語も交えながらコンビニに向かった。普段、日向のイベントでは大抵一人で行動しているので、二人で行動するのも楽しいなと感じた。
充電器をコンビニで借り、近くのスタバで少し休むことにした。Figさんは何も頼まなかったが、私はアイスティーを頼み、通路側の席に着いた。そしてオタクトークをしばらくした。具体的には、今日のリーグリ何は話すか決めたのか?とか、海外から日本のアイドルを推すってのはどんな感じなのかとかを日本語と英語を交えながら話した。
Figさんいわく、日本で発売されるCDに付属しているコード(今回のリーグリなどの応募に使う)は1次募集の締切が発売後2日後とかなので、海外から注文しても間に合わないそうだ。だから日本の友達を作り、日本の友達に代理で買ってもらい、コードを送ってもらうということをしなければならないとのこと。日本に住んでたら全然気づかなかったけど、そういう不便さがあるのかと勉強になった。
なんで最推しのきょんこじゃなくてひなのちゃんに投げたのと言われたので、説明に困った。きょんこは年上ってのもあるし、自分と性格がなんか似ているような気もして、なんか思いっきり愛でることができないというか。なんかだんだんきょんこへの愛がこじれてきてる気がするが、でも遠くから盗み見ながら見守っていたい存在なんだよな。尊くて崇めていたい。話さなくてもいいから。でも、単純にひよたんとかひなのちゃんほうが好きなのかもしれないし、そうでないのかもしれない。よくわからない。
Figさんの充電が50%ぐらいに達した頃、私たちは充電器をコンビニに返して、会場に戻ることにした。Figさんは16時から受付開始をする第4部のリーグリだったので、あと数時間は待たなければならなかった。さすがに初対面の人と数時間トークをするのはキツイので、一旦自分だけ物販に並ぶことにした。
別に買うグッズはないが、一応、ひなのちゃんの君しか勝たんタオルと、Figさんに頼まれたタオル2枚を買うことにした。ちゃんと代金はあとで送金してもらった。
物販に並び終わってもまだあと1時間ぐらいあったので、また立ち話をちょっとした。一個印象に残っているのは、潮紗理菜の話だ。潮紗理菜はインドネシアに住んでたことがあり、冠番組の「日向坂で会いましょう」でも奇妙なインドネシアグッズを持っているということでキャラが立った感じがあるメンバーだ。しかしFigさんによると、当のインドネシアではそこまで人気じゃないらしい。当日は、意外とそうなんだと思ったが、今考えると確かに日本好きですってアピールしてくる外国のアーティストを好きになるってなんか浅い感じもするから、ちょっとわかるかも。
会員とエンカ
第4部の受付が始まり、Figさんが人の波に消えていくと、私は手持ち無沙汰になった。グッズを買おうにも、もう金は底を尽きているし、そこまでやることがなくなった。
ふとTwitterを見ていると(まだXじゃないときだ)、フォロワーの一人が今から会場で会える人を探しているのが目に入った。そのフォロワーは以前、私が設立した架空の協会である「日本再帰三人称女子保護協会(旧日本イリエスト女子愛護協会)」に入会を希望してきた人だった。
そんな会員1号はひよたん推しで、今回はひよたんのリーグリで幕張に来ていた。私はどちらかというとひよたんと話したかったので(なんでひなのちゃんに投げたのか今の私にはわからない)、実際にひよたんと話した人の話を生で聞きたかったというのもあり、勇気を出してDMに「会えます?」と送ってみた。すると快諾され、さっそく会うことになった。
トイレの近くと言われ、会場の外のトイレをうろついていると、会場の中のトイレであることが判明し、会うまでに少し時間がかかった。会場に入り、トイレの近くに向かうと、ひよたんタオルを首からかけた青年がいた。
お互いひよたん推しでRTP協会(Reflexive Third Person)の会員ということもあり、話が弾んだ。ひよたんが実際見てどんな感じであったかや、どんな話をしたかなど色々聞き、めちゃくちゃひよたんと話したくなった。生で見るひよたんは、お顔がちっちゃくてお目々がでっかいらしい。会いたい!
普段、周りにおひさまがいないので、久しぶりに自分と同じくらいの熱量を持ったファンと話せてすごく楽しかった。エンカというものを今回始めてしてみたが、悪くはないなと思い始めてた。
また次のリーグリで会いましょうと約束し、彼とは別れた。彼はまた第4部からひよたんと話すらしい。
Figさんのリーグリ
会員1号と別れた後、ちょうど第4部のリーグリを終えたFigさんからwhere are you?というDMが来た。ホール2内で合流し、会場の外の座れるところで感想を聞いた。やっぱりなんて言っているかよくわかんなかったが、金村美玖を褒めたみたいなことを言っていた気がする。でもなんだかすごく嬉しそうだったのでよかった。
Figさんは10枚金村美玖に投げて1枚しか当たらなかったらしい。美玖ちゃんめちゃ人気だね。NewシングルのAm I ready?も10枚買って投げると言っていた。その流れでAm I ready?の発売日の26日にまたシブツタ(渋谷にあるデカいTSUTAYA)で会おうと約束した。それまでにマレーシア英語に慣れないといけないないと思いつつ、二人とも昼飯を食わずにリーグリをしていたため、昼飯を探すことにした。
その後は、適当にイオンのフードコートに言って昼飯を食べたり、近くのカラオケに行って日向坂の歌を歌い合ったりしたが、詳細は省く。
最後に
今回、ひなのちゃんに生で会えたのもすごく嬉しかったが、それと同時にTwitterで知り合った人とエンカできたのが自分にとって大きい収穫だった。最近、少しだけ社交的になれてるような気もして、今後も無理ない範囲で交友を広げていければなと思った。ただ、依然として一人の時間は好きなので、バランスを上手く保ちながら推し活をしていきたい。
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